会社員 26歳 女

会う直前)

ああああああああああああああああああああああこれからはるさんに会う。会う。会う。

死にそう。お腹痛い。はるさんは気負わずにっていったけど、緊張はどうしようもなく襲ってくる。

はあ、落ち着け。今日の目標は取り繕わない、だ。よく見せようとするから緊張する。だめでもいい。だめでもいい。うん、ちょっとまし…かも知れん。手が震える。だめでもいい。だめでもいい。…よし、、。ふあああああああ

(会った後)

はるさんと会ってきた。泣くつもりだったけど、鳴かされた。

自分の中にある「汚いもの」、それがある事実は変わらないし、それが自分だから。

仕方のないことだし、事実なのだ。

それを、自分の「好きな人・好意的にみている人全般」には知ってもらいたいかどうか。私も、はるさんと同じで知ってもらいたい側だ。

さらけ出すことによって、その人たちがどう思うかは、分からないこと。

外堀を埋めても埋めても、未来のことは、分からない。

分からないことを考えても、仕方がない。

知ってもらいたいのなら、「伝える」しか選択肢はないのだ。

伝えて、もし彼等・彼女等が少し引くような素振りを見せたとしても、関係が全く終わる可能性は、100%ではない。関係も、人生も、続いていくものだから。考え方が違うのであれば、お互いにそれを認める。私はこういう考え方だからこうしたけれど、あなたは違うんだね、って。

はるさんは、引かれたら、惹き込むのだそう。良さを熱弁するんだって。痴漢を例に挙げてたけど。(笑)自然と、出会い系アプリの良さについて、はるさんの話を聞きながら思考を巡らせていた。

普通に椅子に座って話している時は、今日の目標は達成されたに近いと思う。ただ、それがエロとなるとはるさんの言っていた通り、途端に難しく感じた。やはり、恥ずかしいって思ってるんだ、私。「ちゅーして欲しい」って、それを言うのにめちゃくちゃ葛藤したし、色々考えた。そしたら、「俺が何を望んでるとか、考えんでええんやで」(みたいな主旨のこと)を言っていたな。抱き締めてくれて、近くで息づかいを聞かせてくれて、私が「言う」ことを根気良く促してくれた。でも、正直言って、なぜ「ごめんなさい」と言わされたのかは分からない。(笑)…あかんこと、してるから?私は、あかんくないです。はるさん。

もっと色んなことを根掘り葉掘り聞かれると思っていたけど、基本的にはずっとはるさんがお話をしてくれていた。今日の依頼の背景についてプレゼン資料を作ろうかとか考えていたけど、これで良かったんだよな…?いや、どちらでも良かったはず。会ってるとき、正直になれていれば。

不意に、はるさんの香りがする。でも、直接匂っても、どこに香りが移っているのか分からなかった。忘れたくないな。なんの香りだろう。

今日の目標「取り繕わないこと」は、良い心掛けだと思う、って。俺も、初めからさらけ出せてた訳じゃない。初めから「いる」じゃなくて「来た」のだと。慣れって言ってたな。決して年齢のせいではない、とも。おじさんだって、取り繕っていたりさらけ出せなかったりする人はごまんといるもの。勇気を以てさらけ出して、それが自分の好きな人たちに意外と認められる。そういう成功体験を積み重ねてきて、「結果、ここにいる」のであって。

才能って、存在しないとも言ってたかな。そんな主旨のこと。なんでも興味ある?って聞いたら、「そやな」とのこと。なんでも、意外と面白いし、楽しいねんな。だから俺、編み物とかも楽しんでできると思う、やったことないけどって。コツコツ勤勉にやり続けることが、出来る人だ、はるさんは。

私も、取り繕わない人になりたいから、それを「意識」して「継続」すること。

意志や思いが曇らないように、身につくまで、ずっとやる。曇らないように、今日のことを何度も反芻して、覚えておかないと。はるさんも言っていたけど、人は、すぐに忘れてしまうから。

今日はるさんは私にいわゆる「汚い」部分をほんっとうにたくさん見せてくれたけど、笑ってきいていられた部分もあった。これって、私もはるさんの「成功体験」のうちのひとつになっているのかな、と思いながら聞いてた。はるさんの汚い部分、私的に笑えないところは、それが私の考え方だから、それで良い。はるさんは、私じゃないし。

Aが結婚したこと、実はそんなにショックじゃなかったのかな。そんなことよりも私は、自分が素直になることを望んでいた、みたいである…。いや、確かに驚いた、ショックでもあった。びっくりした。でも、事実は変わらない。Aと出会い系アプリで知り合ったことも、変わらない。それを、Bを始め誰にも「言えない」でいるから、わんわん泣いてもいまいち全部吐き出すことができなかったんだな。だからまず、「言える」ようにならなきゃ。意外とみんな、格好悪いんだし。Aと幸せになるより、自分が素直になってそれを周りに認めてもらえる幸せの方が、私にとって「良いこと」だったんだな。他の人にとって「良いか悪いか」は先述したとおり分からないこと。でも、自分にとってのそれは、自分で決めることだ。

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